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銀メッキ【Ag】素材の特徴 メリット・デメリットとその用途を解説

2023年02月05日

身近なものに使用されており目にする機会も多い銀メッキですが、その特徴についてご存じでしょうか。
銀メッキは多くのメリットをもつ反面、注意すべきデメリットも秘めている技術です。

本記事では、銀メッキの特性によるメリット・デメリットや用途についてご紹介します。
銀メッキについての理解を深めれば、管理やメンテナンス、仕事に活かせます。
ぜひ最後までご覧ください。

 
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銀メッキ【Ag】素材の特徴 メリット・デメリットとその用途を解説

銀メッキ【Ag】とは

銀メッキとは、銀を素材にまとわせるメッキ加工技術です。
メッキ加工によって、素材に対して銀の特性や機能性を付加できます。

銀は機能性が高いだけでなく、見た目の美しさも大きな利点です。
そのため、ネジやナットなどの部品から洋食器や装飾品にいたるまで、幅広い目的で利用されています。

銀メッキは機能性と外見の美しさを兼ね備え、オールマイティーなメッキ加工技術と言えるでしょう。

銀メッキの特性による5つのメリット
銀メッキが多くのものに使用される理由は、機能面での多くのメリットにあります。
ここでは、銀メッキの5つのメリットについてご紹介します。

1.熱伝導性が高い

銀は熱導電性に優れている素材です。
メッキ加工でよく使われる金・銀・銅・アルミの中で、最も高い熱伝導性をもちます。
素材の電気伝導率を高められるため、電化製品のコネクタなどによく採用されています。

コンセントからの電流を無駄にせず製品内に通電でき、電気の無駄を予防するため、電気の節約につながるのは大変魅力的です。

2.抗菌・殺菌効果がある

銀は古くからあり、人々に馴染み深い金属の一つです。
生活の中に溶け込んだ理由として、人体に害がなく、銀イオンによる抗菌・殺菌効果があるといった要素が大きいでしょう。

細菌やウイルスの無毒化が期待できる安全な金属であるため、近年の新型コロナウイルス対策でも注目を浴びました。
不特定多数の人が触れるボタンや手すりなどに、抗菌・殺菌効果を期待して銀メッキで加工する方法も現在では大変メジャーです。

3.接着力が強い

銀メッキはほかの金属や部品との接着力が非常に強いため、金属同士をつなぎ合わせるハンダ付け性やボンディング性に大変優れています。

この特性を活かし、電化製品や電子機器の部品、基盤などに銀メッキが多く使われています。
接着力の強さといった銀メッキの強みが、多くのものに活用されている理由の一つです。

4.錆びにくく腐食に強い

銀のもつ特性として、銅やステンレス素材より錆にくため防錆効果が期待できるといった点があります。
外気等による腐食から素材を守ってくれるため、外で使用する機器の部品に銀メッキ加工を使うなどしても安心です。

注意が必要なのは、銀は硫黄や硫黄化合物に対して弱いといった特徴があり、簡単に黒褐色の硫化銀皮膜を生成してしまう点には注意が必要です。
腐食には強いですが、周囲の環境などには配慮する必要があります。

5.高い反射性能をもつ

銀メッキには光を反射する光沢性があり、昔から美しさで評価されてきました。
そのため、銀メッキは装飾品などにも使用され、そのほかにも反射性能の特徴を活かして鏡や照明機器にも利用されています。

またこの反射性能は、マイクロ波等を伝えやすいといった特性にも通じています。
そのため、防災無線などの部品に多く用いられ、多岐にわたる活用が可能です。

 

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銀メッキ最大のデメリットは変色

メリットの多い銀メッキですが、もちろんデメリットもあります。
銀メッキの最大のデメリットは変色です。

メリットでも触れましたが、銀は腐食に強いものの硫黄や硫黄化合物に対して弱い特徴があります。
空気中の硫黄と反応して、黒褐色の硫化銀皮膜を作り黒く変色してしまうのです。
そのため、変色のリスクに備えて、定期的なメンテナンスや変色防止策を実践する必要があります。

銀メッキの変色を予防するためには、変色防止剤の使用が効果的です。
しかし銀の変色防止剤は古くから検討されていますが、長期間効果が続くわけではないため完全に防止できるものはないとされています。

変色を完全に防ぐ策がないため、銀メッキの変色は最大のデメリットであると言われているのです。

銀メッキ【Ag】の用途

銀メッキの特性がわかると、銀メッキ加工に適した用途についてもある程度想像ができるようになります。
銀メッキ加工の主な用途について、以下の表にまとめたため参考にしてください。

銀メッキの用途(※)

皮膜特性 皮膜特性 応用例
物理的特性 ハンダ付け性 など 開閉器・遮断機

コネクタ・リードフレーム

自動車電装部品 など

電気的特性 電気伝導性 など
光学特性 反射性 など 照明機器・LED・鏡 など
熱的特性 熱伝導性など 調理機器 など
化学的特性 ほか 抗菌性 など 外科設備・生成器具 など

(※)参照:大和化成株式会社「銀のパワー再発見」

まとめ

銀メッキは、変色といった予防策をとるのが難しいデメリットもありますが、それ以上に多くのメリットをもつ素材です。
この特徴から、銀メッキは昔から現在に至るまで長年親しまれて、多くのものに活用されています。

熱・電気伝導性や抗菌・殺菌効果など、私たちの生活には欠かせないものばかりです。
今後も銀メッキ加工は、多くの製品に用いられるでしょう。
銀メッキ加工の特徴を理解し、ぜひ仕事やメンテナンスの参考にしてください。

 

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