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メッキが錆びるのはなぜ?錆びの除去と防ぐ方法について解説

2023年09月27日

メッキは多くの製品で美しい仕上げや耐食性を提供するために使用されていますが、時折、錆びることがあります。
この記事では、メッキが錆びる原因、錆の除去方法、そして錆びを防ぐ方法について詳しく解説します。
また、クロームメッキとニッケルメッキという主要なメッキの種類についても紹介しましょう。

メッキが錆びるのはなぜ?錆びの除去と防ぐ方法について解説

メッキが錆びる原因

メッキは美しい輝きを持つため、多くの製品に使用されています。
しかし、時間が経つとメッキが錆びることがあります。
それでは、なぜメッキは錆びるのでしょうか?

クロームメッキ・ニッケルメッキとは

まず、メッキとは表面に金属を薄くコーティングする方法です。
主要なメッキの種類にはクロームメッキとニッケルメッキがあります。

クロームメッキとは

クロームメッキは、クロムを表面にコーティングするメッキで、光沢があり美しい仕上げを提供します。
このメッキは耐食性に優れ、主に外装部品や車のバンパー、バイクの排気管などに使用されます。

クロームメッキは酸化しにくく、磨くことで輝きを取り戻すことができます。
しかし、クロームメッキは表面が硬く、傷つきやすいため、慎重な取り扱いが必要です。

ニッケルメッキとは

ニッケルメッキは、ニッケルを基材にコーティングするメッキです。
主に下地処理に使用され、他のメッキ層との密着性を高めます。
ニッケル自体は錆びやすく、主要な耐食性を提供する役割を果たします。

そのため、クロームメッキの下にニッケルメッキを施すことで、製品の耐候性が向上します。
ニッケルメッキは光沢が少なく、通常は上からクロームメッキが施されることで美しい外観が得られます。

メッキがさびるのはなぜ?

クロームメッキは、美しい外観と耐腐食性を兼ね備えた素材ですが、錆びる原因はその構造や性質に起因します。
通常、クロームメッキは複数のメッキ層を重ねてコーティングされます。
最終表面に施されるクロームメッキは、美しい光沢を持ち、大気中での変色や酸化に強い特性を備えています。

しかし、クロームメッキが錆びる原因は、クロームメッキ自体に備わる目に見えない微細な穴から、水やホコリなどの異物が侵入することです。
これにより、下地のニッケルメッキが腐食し、点錆(ピンホール錆)が発生します。
点錆は徐々に成長し、メッキ層を剥がすのです。

他にも、以下の要因があります。

メッキ層の破損
メッキ層に傷やひび割れが生じると、酸素や水分、塩分が金属の下地に浸透し、腐食を引き起こします。

環境要因
湿度、気温、塩分濃度の高い環境では、メッキが錆びるリスクが高まります。

酸化
クロームメッキは酸化しにくいですが、ニッケルメッキは酸化しやすく、錆が生じやすくなります。

メッキの錆を除去する方法と腐食除去

メッキが錆びた場合、以下の方法で錆を取り除くことができます。

酢酸洗浄

軽度の錆に対しては、酢酸を使用した洗浄が有効です。
ただし、注意が必要で、過剰な使用はメッキ層を傷つける可能性があります。

サンドペーパー

粒度の細かいサンドペーパーを使って錆を軽く削り取ることができます。
しかし、慎重に行わなければメッキ層を傷つけることがあります。

専用のクリーナー

メッキの種類に応じた特殊なクリーナーを使用することで、効果的に錆を取り除けます。

メッキを錆びにくくする方法

メッキの錆びを予防するためには、以下の方法を考慮してみてください。

定期的なメンテナンス

メッキ製品を定期的に清掃し、傷ついた箇所を早めに修復します。汚れや異物が付着することで錆びの進行を防ぎ、製品の寿命を延ばすことができます。

保管環境

メッキ製品を適切な保管環境に置くことが重要です。湿度や塩分濃度の高い環境から製品を保護しましょう。特に、車両の下部やエンジンルームなどの高温・高湿度の場所ではメッキが錆びやすくなります。これらの場所でのメンテナンスと保護には特に注意が必要です。

定期的な点検

メッキ製品を定期的に点検し、錆びや傷みが見つかった場合には速やかに対処しましょう。早期の対策が大切です。

錆びにくいメッキの種類は何?

一般的に、クロームメッキは錆びにくく、高い耐食性を持っています。
また、メッキの下地処理が適切に行われていれば、錆びにくいニッケルメッキもあります。
選択するメッキの種類によって、錆びにくさが異なりますので、使用環境や用途に応じて適切なメッキを選びましょう。

メッキを正しく理解しよう

メッキは美しい仕上げと耐食性を提供する素晴らしい素材ですが、適切なメンテナンスが必要です。
メッキが錆びる原因や錆の除去方法を理解し、定期的なケアを行うことで、製品の寿命を延ばすことができます。

また、クロームメッキとニッケルメッキは異なる特性を持っており、使用環境や目的に合わせて選択することが重要です。
メッキについて正しい知識を持ち、適切な対策を講じましょう。